
就活の写真を撮影する日に限って、家の洗面所のグリンピースケースにお気に入りのグリンピースを入れっぱなしにしてきたしゅうまい。
学校の門の前で後輩の餃子に指摘されて気付く。
クラスに入ると周りが大爆笑。
それに釣られて自分も愛想良く笑うものの、内心はこんな凡ミスをする自分に落ち込む。
それでもいつもどおり笑いながら席に着いた。
教室ではまたそれぞれが日常会話に戻っていく。
ぼーっと自分の机を見つめるしゅうまいの頭に何かが乗るような感覚。
はっと頭を触るときれいに磨かれているグリンピースが乗ってる。
後ろを振り返ると片想いのしゅうまいさんが
「実は予備持ってたんだ」
と微笑んでくれた。
忘れた恥ずかしさとしゅうまいさんの笑顔に精一杯の一言で
「ありがとう」
と伝えた。
就活用の写真を撮り終え、教室に戻る途中、廊下の隅に置いてあったグリンピースのカゴにぶつかった。
声かけてもらったことが嬉しくて、借りたグリンピースの色も形もほとんど覚えていない。
しゅうまいさんになんて伝えよう。